雨の街

 

一年中止むことなく

雨が降り続ける街のお話

湿りきったアスファルトに

響く水の足音

ため息でできた雲が溶けて

雨が降り僕らの視線を下げる

疲れ切った言葉たちで

できた水溜りがまた雲になって

ああ そんな重たいシステム

で廻る水のせいで

隣のおじさんもおばさんも

パン屋のお兄さんも笑わなくなった

時間が経てば経つほどに

湿って冷めて錆びて色褪せて

気づけばこの街の人たちは

心が腐ってた

 

あいの歌を

どれだけ聴き漁っても

僕の心は満たされないな

大嫌いだって

胸を張って言えるほど

何かを好きになったこともないから

 

一年中止むことなく

雨が降り続ける街の片隅

湿りきったアスファルトに

溜まる水と溜息

灰色の空は笑うわけでも

怒るわけでもなくただただ

虚しそうに僕達のことを

見下ろしていたんだ

 

あいの歌を

どれだけ口ずさんでも

僕の心は満たされないな

大嫌いだって

胸を張って言えるほど

何かを知ろうとしたこともないから

 

大事なことも忘れてく

雨が落ちる音がする度に

ポタポタ

シトピッチャン

ポタポタ

シトピッチャン

大事なことも忘れてく

雨が落ちる音がする度に

ポタポタ

シトピッチャン

ポタ

 

あいの歌を

あとどれだけ空に叫べば

僕の心は満たされるんだろう

大好きだって

いつの日か心から言える日まで

まずはこの歌を歌い続けるよ