機械仕掛けとアコースティック

 

 

 

チクタク ガシャガシャと規則正しい音を立てる

機械の身体を持った人らが住まう街

鉄と油の匂いが人の香りを掻き消してく

気づけばみんな冷たい 冷たい心臓さ

 

不規則に脈打つ

生身の俯く少女

ギターを片手に怪しい男が言う

 

機械仕掛けの世界であなただけが心を持っている

思わず踊ってしまうような音を探しに行こう

誰かが決めた未来なんて味気のないものはないでしょう

思わず歌ってしまうような歌を歌ってみよう

 

街の大人たちはこぞって彼女を虐げる

子供達もひそひそ話をしている

機械の身体を手に入れた私たちは

飲まず食わず眠らず 永遠に生きられるのに

瓦礫通りのそのまた奥の端の隅っこで暮らしてる

 少女はどうやら頭がおかしいらしい

生身の体で飢えをしのぎ

病に侵され死に怯えるような

そんな暮らしが今更どうしてできるのかい?

 

少女は歌が好きでした

歌うと心が軽くなるから

少女は歌が好きでした

あの日の自分を救ってくれたから

笑ったり泣いたり怒ったり

勝手に信じて裏切られたり

心は確かに厄介だ

でも歌が歌えるなら 誰かの歌で泣けるのなら

少女は心を捨てたくなかった

 

機械仕掛けの世界に 誰かの声が今日も響いてる

思わず笑ってしまうような音を奏でてみよう

あなたが作る世界なんて心躍るものはないでしょう

思わず歌ってしまうような歌を歌ってみよう

 

さあ