ワンルーム

 

考えなくてもいいことがずっと心曇らせる
大事なものであるほどに
部屋の隅で眠ったまま
今日も
ずっと探していたものは
いつの間にかぼやけていて
目の前にある物にも
気付けずに失ってく
 
そんな未来
 
ありふれたような幸せを
抱きしめることもできずに
緩やかに流れる時間が
少しずつ僕を殺してく
 
何かしなくちゃと思うから
めずらしく部屋の掃除をした
綺麗になった部屋を見て
少し変われたような気になって
でも考えなくてもいいことが
ずっと心曇らせる
これだけ部屋が綺麗なら
いつ死んでも恥ずかしくないな
 
僕がいなくなったその朝に
世界中が笑えばいいのに
そしたらこんな僕にだって
ちゃんと終わりにできるから
 
繋がりもないし脈絡もない
つまらない上にオチもない
そう丁度
この歌みたいな僕の人生は
部屋の中 一人で
眺めるくらいが丁度良いのだろうか
 
本当に?
 
誰か僕のこの首を締めて
息の根を止めてください
自分で終わりにするのには
あまりにも僕は弱いから
ありふれたような幸せを
抱きしめて空に投げた
それではさよなら、どうかお元気で。
あてもなく別れを告げた
そんな
 
11月 淡い夕焼け
射し込む狭いワンルームで僕は
一人寂しくギターを弾いていた
窓の外からはこども達の笑い声が
響いていた