この街は死んだ
灰色の窓に
残した言葉がある
意味のないような模様
焼けたアスファルト
冷ますように雨が降ってる
生ぬるい風の匂い
ブランコにずっと跨ったまま
逆さまに映る世界は
ゆらゆら揺れてる
まるで全部が作り物みたいだ
なんておかしなことを考えてる
内にいつしか陽は落ちて
「みんなで手を繋いで一緒に帰ろうか」
電車が揺れて
眠たくなってきたから
少し窓を開けよう
焼けたアスファルト
冷ますように雪が降ってる
澄んでる冬の匂い
灯り出す街灯
賑わう人の声
早く家に帰ろう
晩御飯は何かな
走って石ころに躓いて
水溜りの自分と目が合った
あぁ、また忘れてた そっか
「みんなあの日死んじゃったんだ」
ずっと止まってるワンマン電車に乗って
今日は何処へ行こうか
ゆらゆら揺られながら
おやすみ。
灰色の窓に
残した言葉がある
「この街は死んだ」