白と黒
なんだか疲れてしまった僕は
何をするでもなくこの部屋で
珈琲を飲んで一息ついて
「なんにもないな」と呟いた
子供の時から夢を追ったあいつが
大人になって僕にこう言った
「ずっと探していたものが いつの間にか見えなくなったよ」
息を吸って
息を吐いて
その繰り返しに
もうただただ疲れたんだよ
今日が終わって
明日になって
このまま一体
僕は何処へゆくんだろう
例えばの話 明日世界が
終わるとしたらとか考える毎日だ
いっそ壊れてしまえだなんて
一体誰に何度願ったのだろう
浮かぶ星空が
映る雪原が
照らす朝焼けが
あまりに綺麗すぎて
繰り返すだけの
ゴミのような僕の毎日が
余計に霞んでいく
息を吸って
息を吐いて
その繰り返しでさえ
もう溺れてしまうよ
夕日が沈んで
朝日が昇って
このまま一体
僕は何になるんだろう
全部飲み込んで
首を絞めて
蓋をしてしまえば
少し楽になるのかな
なんてする勇気も見つけられないまま
夜が終わって
朝日が僕のこと照らし出してしまうから
珈琲に落ちていく白い砂糖のように
沈んで、落ちていく。